Vol.3 「星空を楽しむ鳥取県のキャンプ事情を調査!」
海や湖、川や森など、変化に富んだ地形と自然にめぐまれた鳥取県。今回は、そんな自然豊かな鳥取県に点在するキャンプ場での過ごし方や、キャンプならではの星空の楽しみ方について伺います。
お話を伺ったのは...
株式会社スマイルキューブ代表
都築 法明さん
<プロフィール>
鳥取県と愛知県の2拠点でホテル再生マネジメント事業やアウトドア事業を手掛ける。鳥取県下にはキャンプ場やバーベキューパーク、ネイチャーサウナなど5施設を展開。
星空ともっと仲良くなれる、鳥取県の取り組みを知っていますか?
編集部:どんなことがきっかけで鳥取県でキャンプ場を運営することになったのですか?
都築さん:もともと、ホテル再生事業で鳥取県を訪れていた時期があって、その時から鳥取県がもつ自然環境の魅力については感じていました。アウトドア事業を展開することになった時、自然な流れで鳥取県が浮かびました。
私自身、元来のキャンプ好きなので、ここでならという気持ちが大きかったかも知れません。
編集部:事業展開しているキャンプ場の特徴はありますか?
都築さん:鳥取県下には、我々が運営するキャンプ場以外にもたくさんのキャンプ施設があります。自然豊かな県なので、キャンプをするにはとても適した環境だと思っています。ですが、これは鳥取県に限らずの話ですが、キャンプ場はちょっと不便で当たり前、という感覚をみなさんもっていませんか?
我々はwebサイトで施設についてやアクセスについて、訪れた際のプラスアルファの観光情報についても発信して、安心して訪れていただけるようにしています。また、オンライン決済やリサイクル料をいただいてキャンプ場で出たゴミを持ち帰らずに済むサービスの導入など、キャンプ以外の宿泊サービスでは当たり前のことをキャンプ場でも提供しています。
そういった当たり前のサービスがあることで、キャンプのハードルが下がり、より多くの人に楽しんでいただけていると思っています。
編集部:鳥取県のキャンプ場の魅力や鳥取県らしい夜の過ごし方や楽しみ方を教えてください。
都築さん:実は、スマイルキューブでキャンプ場を運営しているほかに、鳥取県全体のキャンプ場で社団法人を立ち上げていて、そこの代表理事もさせていただいています。自然豊かな鳥取県には、海・山・里にキャンプ場があり、それぞれの良さがあります。その場所に漂う空気感や見える景色ももちろん違いますし、体験できることも大きく異なります。
「夜空を楽しむ」という観点からお話しすると、星取県を名乗る鳥取県ならではの取り組み「天体望遠鏡を無料貸し出し」(https://www.pref.tottori.lg.jp/275462.htm )というサービスがあって、キャンプ場でこのサービスを利用して観測会などを行っている場合もあるので、訪れる際には確認してみると良いかもしれません。ご自身で天体観測をするだけでももちろん素晴らしい体験になりますが、観測会等に参加すると、星の早見表がもらえたり星座の解説をしてもらえたりと、体験の深度がぐっと深まります。
しかも、鳥取県が貸し出している天体望遠鏡の中には、土星の輪が見えるような高性能のものもあるんですよ。
月明かりに邪魔されない、星の美しさを知っていますか?
編集部:天体望遠鏡なしで星空観賞をする場合のおすすめのシチュエーションはありますか?
都築さん:流星群の季節は、厚手の毛布をもって駐車場で寝転んでいると、30分以内に5つは願い事ができるんじゃないかな?そのくらいたくさんの流れ星を見ることができますよ。
せっかくキャンプに来たのなら、特別な過ごし方として、早く寝て真夜中に起きて星を観るのはどうでしょうか。都会ではあまり感じられないかも知れませんが、早い時間帯だと月が明るすぎるんです。冬だと26時頃が一番良い時間帯だと思います。新月の頃もいいですね。
編集部:星空を楽しむのにおすすめのキャンプ場を教えてください。
都築さん:鳥取県には山間部にたくさんのキャンプ場があります。キャンプ初心者なら、標高300mクラスのいわゆる「里」のキャンプ場がおすすめです。多くは中心市街地から30分圏内にあって、アクセスも良く、アウトドアに慣れていない方にも安心して訪れていただけます。標高300m〜500mクラスの立地にあるキャンプ場は、森の中にある場合が多いので、木々の間から覗く星空を見られます。
星空観測という意味では、海辺のキャンプ場はあまりおすすめではないかも知れません。星よりも海に浮かぶ漁火に目がいってしまうと思います。海に浮かぶ漁火は幻想的で鳥取県らしい風景なので、一度は見ていただきたい景色ではありますが。
雲の上にまたたく星空を見たことがありますか?
編集部:都築さんの一番のお気に入りのキャンプ場×星空を教えてください
都築さん:鳥取県東部にある「わかさ氷ノ山キャンプ場」が、空気が澄んでいて星を観るのにおすすめです。これからの季節は防寒対策が必須になるので、現地情報は事前にしっかりチェックしてくださいね。標高800mを越えるキャンプ場のため、森を抜けているので、昼夜問わず絶えず表情を変えていく空が広がり、それを眺めていると宙は回っているな…と感じられます。
昼夜の寒暖差が大きい晴れた日の朝方には、鵜池公園キャンプから25分ほど車を走らせた明地展望駐車場から雲海を見ることができます。まだ空が暗い時間帯だと、薄青い空に星が輝き、その下に雲がたなびくという幻想的な風景に出会えます。
氷ノ山山頂からの雲海(写真提供/日本山岳ガイド協会公認・登山ガイド 森岡則明)
※山頂への登山は気温低下、野生動物との遭遇の危険性があるため、十分な対策が必要です。
編集部:これからの季節、鳥取県でのキャンプでどんなことが楽しめますか?
都築さん:これからの季節、虫が少なく、空気も乾燥していて12月上旬まではキャンプに絶好の季節です。鳥取県にはブナの原生林やコナラや檜などの雑木が多くあり、しっかり乾燥させたそれらの薪を使って焚き火をすると、木の香がやさしく薫るんです。ゆらぐ火をながめながら、ホットココアやホットウイスキーで暖をとる「大人なアウトドア」も素敵です。
11月の下旬には、鳥取県下のキャンプ場で新たな取り組みもスタートします。鳥取県はスペインのカタルーニャ地方の地中海沿岸気候と海水温が似ていて、獲れる魚介の種類が似ているそうです。そんなつながりから、スペイン政府観光局と「一般社団法人鳥取キャンプ」(https://tottori-camp.com)がタッグを組んで、キャンプ飯「魚介のパエリア」「ワイルドポークとキノコのサフランパエリア」を開発中です。食材は道の駅で購入可能、鳥取キャンプに登録のキャンプ場ではパエリアパンの貸し出しもおこないます。
11月下旬にはHP上でレシピを公開予定なので、是非チェックしてみてください。
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鳥取県のキャンプ場はこちらから
- TOTTORI CAMP-PARK https://tottori-camppark.jp/company.html
- 一般社団法人 とっとりキャンプ https://tottori-camp.com
- TOTTORI CAMP(とりキャン) https://tottori-camp.jp/
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